事業レポート
2026年2月7日
令和7年度社会参加促進事業・第62回福岡市民芸術祭主催事業「みえる かんじる 新しい第九〜ぼくらはみんなうたうたい〜」
年齢や障がいの有無、性別や国籍に関わらず、誰もが文化芸術に触れ、親しむことができる機会を創出し、文化芸術活動を通じて社会の新しい関係を築く社会参加促進事業として、九州交響楽団と白い手袋をつけ手歌(しゅか)で奏でるユニークな合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」による第九の演奏会を開催しました。
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【9月・関連イベント】「見て」「触れて」「参加する」インクルーシブなアート展を開催!
会場:福岡アジア美術館
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12月に福岡市民ホールで開催する「みえる かんじる 新しい第九」公演の関連イベントとして、9月11日(木)~16日(火)に福岡アジア美術館8Fの交流ギャラリーなどで開催しました。
Event. 1:「第九のきせき」写真展
9月11日(木)~16日(火)にかけて開催した写真展では、ホワイトハンドコーラスNIPPONの手歌パフォーマンスを撮影した写真作品や、触れることのできる立体展示を陳列。来場者は、光と影のコントラストや手の動きの軌跡に見入ったり、実際に手歌を体験できるコーナーで手を振ったりなど、五感を通じて音楽を体験していました。海外からの来場者も多いアジア美術館。ギャラリー内には、視覚障害者のための音声ガイドに加え、英語と韓国語の音声ガイドも設置し、インクルーシブな写真展となりました。

Event. 2:「歓喜―Freude―」フォトセッション&手歌ワークショップ
9月15日(月・祝)に開催されたワークショップでは、実際にベートーヴェンの「歓喜の歌」を手歌で表現するワークショップを実施。ホワイトハンドコーラスNIPPON芸術監督のコロンえりかさんのレクチャーに、たくさんの方が参加し、「喜び」などを表現する手歌を体験しました。さらにフォトセッションでは、LEDの手袋をつけた参加者が手歌をする様子を写真家・田頭真理子さんが幻想的に撮影。撮影した写真は、12月7日の本公演にて会場ロビーに展示しました。


Event. 3:「ホワイトハンドコーラスNIPPON Freude!よろこびのうた」
ドキュメンタリー映画上映
9月14日(日)・15日(月・祝)には、障がいの有無を超えて集まった子どもたちが、プロのオーケストラと共に「第九」に挑戦する姿をつづった映画を上映。観客は静かに見入り、時には目頭を押さえる様子も見られました。
本イベントでは音楽を“聴く”だけでなく、“見て、触れて、共に表現する”体験として開催し、12月の公演本番に向け、多くの人に「新しい第九」のかたちを予感してもらえる濃密な機会となりました。
そして、10月からは・・・
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公募により集まった福岡サイン隊27名が始動開始!
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公演に向けて手話の表現で歌う「手歌(しゅか)」サイン隊の練習が10月11日から本格的にスタートし、12月7日の本番まで全6回に渡り、教え合いながら和気あいあいと特訓を重ねました。

11月8日の練習には、本番で共に舞台に立つ九響合唱団などの皆さんも参加し、総勢約50名がパート練習や合同での通し練習を実施。「第九」の歓喜を表現するための猛特訓を重ねました。

また、東京のホワイトハンドコーラスサイン隊のメンバーで、福岡公演でもソリストとして登場する信太美紗生さんも参加。手や体の動きで伝える表情の豊かさは、まさに圧巻でした。そして手歌の指揮を担うコロンえりかさんは、「第九」の歌詞と手歌の動きを丁寧に説明。「大事なのは動きを正確にすることじゃない。人生の喜びとか誰かとのつながりを思いながらめいっぱい表現してほしい」と強調、“音楽をつくる”新しい第九であることを伝えていました。


九州交響楽団との合同練習前の最後の練習では、手歌監修・ソリストの井崎哲也さんと講師の馬場昌子さんが指導。なわとびや玉入れのジェスチャーなど、声を使わず身体表現のみで行うウォーミングアップを経て、サイン隊と合唱団が心を一つにしました。


「第九」の練習では、ソプラノ、アルト、テナーのパートごとに分かれて、感情の表現を細部までをみっちり確認&修正。
「神様の存在を探すときは、天を仰ぐような感じで」「顔を少し傾けて優しさを表現して」など、歓喜の感情をどう伝えるかの指導が行われました。


「みえる」手歌と「きこえる」歌声、そして九響のフルオケが織りなす「新しい第九」の完成が見えてきた瞬間です。
いよいよ迎えた本番!
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白い手袋が歓喜に舞った!
九州交響楽団とホワイトハンドコーラスNIPPONによるインクルーシブな音楽会
「みえる かんじる 新しい第九~ぼくらはみんなうたうたい~」公演
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2025年12月7日(日)、ついに福岡市民ホールの大ホールでホワイトハンドコーラスNIPPONと九州交響楽団によるインクルーシブな音楽会「みえる かんじる 新しい第九~ぼくらはみんなうたうたい~」の本番を迎えました。
会場ロビーでは、9月の関連イベント「歓喜-Freude-」フォトセッションで写真家・田頭真理子さんが撮影した、幻想的で美しい写真パネルで来場者をお迎え。さらに画家・田中千智さん描き下ろしの公演のメインビジュアルをはじめとする関連作品も展示。多くの方が記念の一枚をカメラに収め、開演前から華やかな雰囲気でした♪
公演は二部構成。第一部では、福岡市祇園音楽・演劇練習場 ぽんプラザホールで進行中の「いろんなきこえかた演劇プロジェクト」の参加メンバーが、クスッと笑える寸劇を披露。会場を温めてくれました。
第二部・第4楽章でのお客様参加パートに向けて、コロンさんによる手歌ワークショップを実施。たっぷり練習しました。
そしていよいよ第二部の「ベートーヴェン交響曲第九番」が開幕…!
まずは九州交響楽団による圧倒的なオーケストラ演奏により、劇的で嵐のような第1楽章から、興奮と熱気のある第2楽章、そして平穏を感じさせる美しい第3楽章へと展開。会場を音楽の世界へ引き込みました。


そして迎えた最終楽章、今回は指揮者がサイン隊とオーケストラにそれぞれ1人ずつ、ソリストも各パートにソリストと手歌ソリストという布陣でダイナミックに展開します。指揮者の辻博之さんのパワフルな指揮と九響のフルオーケストラが紡ぐ美しい音色と圧倒的スケール感、さらにソプラノ・アルト・テノール・バスで構成する総勢約80人の九響合唱団の歌声が響きます。
さらに手歌指揮のコロンえりかさんの表現に呼応するかのように、サイン隊約50人が想いの限り手歌を表現し、いよいよクライマックスへ…!
多様な出演者がステージ上で一つになる瞬間、来場時に配布した白い手袋を着け第一部の手歌ワークショップで習った手歌で客席も“歓喜の歌”を共に奏でました。まさに会場全体が一つになって歓びが響き渡りました。


音だけでなく目に見える表現が加わった「新しい第九」。聴覚や障がいの有無にかかわらず、全ての参加者が一体となり歓びを共有する“インクルーシブな音楽会”となりました。
主催:(公財)福岡市文化芸術振興財団・ (公財)九州交響楽団・福岡市・
福岡市民芸術祭実行委員会(西日本新聞社・RKB毎日放送・福岡文化連盟)
共催:(一社)El Sistema Connect
後援:福岡市教育委員会・社会福祉法人福岡県社会福祉協議会・福岡市社会福祉協議会・
(一社)福岡市ろうあ協会・読売新聞社・ 朝日新聞社・毎日新聞社・テレビ西日本・ KBC・
FBS福岡放送・NHK福岡放送局・LOVE FM
協賛:九州旅客鉄道株式会社・九州電力株式会社・株式会社 西日本シティ銀行・株式会社福岡銀行・
西日本鉄道株式会社・株式会社JTB・西部ガスホールディングス株式会社・株式会社クラフティア
協力: 福岡舞台芸術施設運営共同事業体(福岡市祇園音楽・演劇練習場指定管理者)・
NPOティエンポ・イベロアメリカーノ
宣伝美術:田中千智・北川デザインオフィス
公演記録映像:仁田原 力
企画制作: (公財)福岡市文化芸術振興財団
助成:(一財)地域創造







